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名古屋高等裁判所 昭和51年(ラ)118号 決定 1976年7月02日

抗告人

交告修平

主文

本件抗告を却下する。

抗告費用は抗告人の負担とする。

理由

抗告人は「原決定を取消す。被審人を過料に処する。」旨の裁判を求める旨申立てた。

よつて審案するに非訴事件手続法二〇七条三項は、過料の裁判に対する抗告権者として「当事者」及び「検察官」を規定しているところ、右の「当事者」とは過料の裁判においては被審人を指すものと解すべきである。

そして記録によれば、抗告人は本件民法違反事件について被審人に違反事実ありとして管轄裁判所に通告した者であるに過ぎず、被審人でも検察官でもないことが明らかであるから、抗告人は原決定に対して抗告権を有しえない者である。

よつて本件抗告は抗告権を有しない者の抗告であるから不違法として却下することとし、抗告費用を抗告人に負担させて、主文のとおり決定する。

(丸山武夫 杉山忠雄 高橋爽一郎)

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